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気になるメディカルトピックス・コラム

2023/04/25

高齢者の造血器腫瘍の前ぶれ

近年、CHIPという言葉が流行しております。ここでいうCHIPとは英語でいう「断片」とかいう意味ではありません。基礎実験をされる方はクロマチン免疫沈降という言葉を想起されるかもわかりませんが、ここではClonal hematopoiesis of indeterminate potentialの略で造血器に関連する遺伝子(DNMT3A, TET2, JAK2, ASXL1等)の変異を変異アレル頻度>2%で有する場合とされています。高齢になるに従って、この変異を持った方が増加し始めるとされていますが、疾患や予後との関連は80歳以上の方ではよく知られていませんでした。今回、その点を調査され、上記のような遺伝子の変異の有無を含むスコアリングを行うとかなりはっきりと骨髄性白血病が発症するかどうかが予測できることが報告されましたBlood. 2021 ;138(21):2093-2105.。急性骨髄性白血病は、「急に発症する」と思われがちですが、実は遺伝子を調べるとかなり発症は予測できるということがわかりはじめているということです。ただし、この発症が予防できるかどうか、およびその予防方法は明らかではなく今後の検討課題です。

担当:中村信元

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