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2021/06/30
徳島県阿南市は全国的にみて日本紅斑熱の罹患が多い地域です。今回は日本紅斑熱を含めたリケッチア疾患の特徴をまとめて報告された発表を紹介致します。
Descriptive epidemiology of rickettsial infections in Japan: Scrub typhus and Japanese spotted fever, 2007–2016
Hitomi Kinoshita, et.al International Journal of Infectious Diseases 105 (2021) 560–566
【方法】2007年~2016年における全国の感染症発生動向調査を元に、後ろ向きの記述的疫学調査を施行した。
【結果】10年間で4185例のツツガムシ病と1765例の日本紅斑熱が報告され、うち20例のツツガムシ病と16例の日本紅斑熱症例が報告時に重症であった。高齢者では届出率と死亡率が高かった。ツツガムシ病の年間届出率は経年的に変化がなく、全国の広い範囲で報告を認めた一方で、日本紅斑熱の年間届出率は3倍になっており、西日本が主であった。ツツガムシ病は季節性であり、春~夏には北日本、秋~冬は西日本に多く発生した。またツツガムシ病の78%は秋~冬の西日本が占めた。ツツガムシ病の重症例はほとんどが春~夏の北日本が占めた。
【結果】今回の研究から、リケッチア症に季節性・地域性があることがわかった。これは媒介生物と病原体の生態に関連している可能性が高いと思われた。ツツガムシ病と日本紅斑熱の最近の疫学および臨床的特徴を知ることで、診断や予防につながると思われる。
(担当:安井沙耶)
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