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2016/03/05
糖尿病は血管内皮機能障害をもたらす強力な悪化因子です。このことに関しては、誰も異論はないと思います。それでは治療中の糖尿病患者の血管内皮機能は非糖尿病患者に比べてすべからく悪いのでしょうか?
2年前に発表した論文になりますが(Diabetic conditions differentially affect the endothelial function, arterial stiffness and carotid atherosclerosis.)、我々は徳島大学病院での生活習慣病患者の血管内皮機能(FMD)を評価してみました。その結果、驚くことに統計学的には、糖尿病の有無でFMDには差がありませんでした (Table)。なぜでしょうか? 論文投稿時には、査読者からも、データ解析に問題があるのではないか?Power解析をやって、妥当なサンプル数なのかどうか確認するようにと注文がつきました。Power解析では、サンプル数は十分であり、やはり再解析の結果も同じでした。
糖尿病患者に投与されていた、スタチン・ARB・アスピリンなどの代謝・循環改善薬の投薬数が非糖尿病患者よりも多いことが、この予想外となった結果の原因と思われました。つまり適切な薬剤介入をすれば、糖尿病患者の血管内皮機能の引き上げることが可能ということなのです。やはり我々は、常に妥当な治療を徹底すべきなのだと思います。(担当:粟飯原)
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