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2017/06/01
糖尿病性腎症を発症するリスクのある患者さんをより早期に特定することが重要です。その理由としては以下の点が挙げられます。
理由1:糖尿病性腎症は、進展すると末期腎不全へと至る慢性腎臓病(CKD)の主たる原因疾患である。
理由2:糖尿病性腎症は、末期腎不全のリスクであるだけでなく、心血管疾患のハイリスク状態である。
理由3:早期であれば集学的治療により改善が期待され、病期の進行とともに有効な治療法がないのが現状である。
現在、アルブミン尿は最もよく確立された糖尿病性腎症のマーカーとなっています。一方、アルブミン尿と腎機能低下が必ずしも相関しないケースもあり、腎予後予測、治療反応性に関してアルブミン尿をしのぐバイオマーカーの開発が強く求められています。
最近、血中の可溶性ウロキナーゼ型プラスミノーゲン活性化因子受容体(suPAR)濃度が、微量アルブミン尿に先立つ糖尿病性腎症の早期リスク指標となりうるという研究結果が報告されました(Scientific Reports 7, 40627, 2017)。
わが国では、糖尿病性腎症を原疾患として透析療法が必要となる患者数は増加の一途をたどり、1998年以降、慢性糸球体腎炎を抜いて新規透析導入の原因疾患の第1位となっています。糖尿病性腎症予防に向けた取り組みがますます重要となってきているなか、suPARが新規バイオマーカーとして世に出ることを期待してやみません。(担当:乙田敏城)
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