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気になるメディカルトピックス・コラム

2022/03/16

低血糖とNAFLDの関係

2型糖尿病患者さんの約半数は低血糖を経験し、一部では救急受診が必要な重症低血糖となっています。低血糖となるリスクとして高齢やインスリン使用のほか、肝硬変などの肝疾患もよく知られています。現在本邦はNAFLDの罹患数が上昇しており、今回はNAFLD患者における低血糖リスクを検討された報告をご紹介します。

Analysis of Severe Hypoglycemia Among Adults With Type 2 Diabetes and Nonalcoholic Fatty Liver Disease  

Ji-Yeon Lee, MD, PhD, et.al.   JAMA Network Open. 2022;5(2):e220262.

【背景】先行研究から2型糖尿病患者における肝硬変と低血糖は関連があることは報告されているが、肝硬変のないNAFLDと低血糖との関連は不明である。今回、2型糖尿病患者における重症低血糖とNAFLDとの関係を調査した。

【方法】南韓国の国民健康保険公団(NHIS)のデータを用い、2009年1月~2012年12月に検査を受けた20歳以上の成人のうち2型糖尿病と診断を受けた患者が対象とされた。患者は2015年12月31日まで追跡調査を受け、後ろ向きコホート研究を行った。データ解析は2019年1月~2021年2月にかけて行った。NAFLDの評価マーカーとしてはfatty liver index (FLI)を使用した。主要評価項目は、低血糖の診断で入院や救急受診を要した重症低血糖とした。

【結果】2型糖尿病患者1,946,581人のうち1,125,187(57.8%)が男性であった。観察期間の中央値は5.2年(4.1~6.1年)で、45,135(2.3%)人が少なくとも1回以上の重症低血糖を経験した。重症低血糖経験群は、未経験群と比較して高齢(67.9歳 vs 57.2歳)で、低BMI(24.2 vs 25.1)であった。NAFLDを有する患者における重症低血糖の頻度は、各種臨床評価項目による調整を行わない場合は低い結果であったが、調整を行った場合はFLIと重症低血糖にJ型の相関を認め、NAFLD患者における重症低血糖の推定リスクは上昇した(調整ハザード比 1.29)。この相関は特に女性患者や低体重者で顕著であった。

【結論】今回の研究から、NAFLDは肥満状況に関わらず2型糖尿病患者における重症低血糖のハイリスクとなる可能性が示唆された。2型糖尿病患者における低血糖リスクを評価する際には、NAFLDも考慮する必要があると思われる。

(担当:安井沙耶)



 

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