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2021/07/28
Ferric carboxymaltose for iron deficiency at discharge after acute heart failure: a multicentre, double-blind, randomised, controlled trial (AFFIRM-HF)
Lancet 2020; 396: 1895-904 November 13, 2020
背景:鉄欠乏を伴う慢性心不全患者に対し鉄剤(カルボキシマルトース第二鉄;FCM)静注が症状やQOLを改善させるという報告がある.急性心不全に対するFCM静注の効果を評価する.
デザイン:二重盲検ランダム化プラセボ対照試験
対象:急性心不全で入院,EF 50%未満
鉄欠乏(フェリチン<100μg/mL,フェリチン 100〜299μg/mL+鉄飽和度<20%)
1132人が割り当てられた.
FCM静注は心不全が安定化した後,退院前に開始し,最大24週まで投与.
プライマリーアウトカム:心不全入院あるいは心血管死(ランダム化から52週以内)
セカンダリーアウトカム:心血管イベント入院あるいは心血管死,心血管死,心不全入院,初回心不全入院あるいは心血管死までの日数,心不全入院あるいは心血管死による損失日数
結果:プライマリーイベントは介入群293例(57.2/100人年),プラセボ群372例(72.5/100人年)に発生し,発生リスクに有意差なし(RR 0.79, p=0.059).心血管イベント入院あるいは心血管死,心血管死も有意差なし.心不全入院は介入群217例,プラセボ群294例と有意な減少を認めた(RR 0.74, p=0.013).初回心不全入院あるいは心血管死は介入群181例(32%),プラセボ群209例(38%)と有意差を認め(HR 0.80, p=0.035),心不全入院あるいは心血管死による損失日数は介入群で有意に減少した(RR 0.67, p=0.035).重篤な有害事象は介入群45%,プラセボ群51%に認めた.
結語:EF 50%未満,鉄欠乏を伴う急性心不全入院後の症状安定期における鉄剤静注は,安全かつ心不全入院を低減するが,心血管死のリスクへの効果は明らかではない.
担当:JA徳島厚生連阿南医療センター 内科(循環器) 谷 彰浩
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