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2017/03/29
IMPROVE-IT (Improved Reduction of Outcomes: Vytorin Efficacy International Trial) 試験では、スタチン投与を受けている急性冠症候群発症患者に対して、ゼチーアを追加投与すると有意に心血管イベントを抑制することが明らかになりました(図1)。しかしながら、スタチン単独投与と比較してそのリスク低減効果の大きさを見てみると、1錠185円という現在の薬価からは、費用対効果はどうなのかな?という感想も正直なところあります。そこで、IMPROVE-IT試験の対象患者の中でどのような特徴を持った患者群において、ゼチーアが有効だったのかをサブ解析した研究成果が発表されました ( J Am Coll Cardiol. 2017;69(8):911-921. )。9項目の心血管リスク因子(心不全、高血圧症、75歳以上、糖尿病、脳梗塞の既往、冠動脈バイパス術の既往、末梢閉塞性動脈疾患、eGFR60未満、喫煙)をスコア化し、心血管死、心筋梗塞、虚血性脳卒中において複合エンドポイントあるいは個々のエンドポイント評価を7年経過時点で評価しています。その結果、リスクを3個以上有する高リスク群においてのみ有意に、ゼチーア追加投与の2次予防効果が発揮されることが明らかになりました(図2)。これは非常にクリアな結果で、ゼチーア追加投薬の判断基準として、とても有用であると思われます。
今後の課題は1次予防対象患者に関しては、どのような患者カテゴリーで投薬するのが有効であるかを検討する必要があるのではないかと思います。(担当:粟飯原)
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