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2021/01/25
滋賀医科大学 糖尿病内分泌・腎臓内科グループが、ケトン体には、糖尿病に伴う臓器障害に対する組織修復能力が備わっていることを明らかにしています(Cell Metabolism 32, 404–419, September 1, 2020)。
最近、ケトン体が単なる絶食期間中のエネルギー源としてだけでなく、細胞内栄養素シグナルの直接的な調節因子としても機能することで、大きな注目を集めています。
元来、腎近位尿細管細胞は、エネルギー産生に脂肪酸を利用するとされていましたが、今回の研究では、糖尿病で障害された近位尿細管細胞では脂肪酸由来のエネルギー産生が障害される一方で、ケトン体由来のエネルギー産生が増強することが明らかとなっています(図1)。
また、エネルギー産生源としてケトン体を必要とする障害腎に対し、ケトン体を供給することで、腎臓病の悪化が抑制されることが明らかとなっています(図2)。
糖尿病の急性合併症であるケトアシドーシスの原因物質となることから負のイメージが強かったケトン体ですが、臓器保護という新たな側面でますます脚光を浴びそうです。
(担当:乙田敏城)
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