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2021/09/21
数ある生活習慣病のなかでも最も患者数が多いのが高血圧症です。日本人全体では4300万人が高血圧基準(収縮期血圧140mmHg以上かつ/または拡張期血圧90mmHg以上)に該当すると推定されています。40〜70歳では男性の60%、女性の40%を占め、75歳以上では男性の74%、女性の70%が該当することになります。後期高齢者にとっては高血圧でない方が少数派になることから果たして病気なのかとの疑問すら生じますが、日本人の血圧レベルと脳心血管病死亡をみるといずれの世代でも収縮期血圧140mmHgを境に増えていくことが分かっています。
では、高血圧症に該当した場合、血圧はどこまで低下させるのが望ましいのでしょうか。この治療目標については数多くの臨床研究の結果を基に様々な意見が交わされてきました。特に高齢者にとっては血圧が上昇することに意味があるのではとの考えや、血圧を低下させることにリスクがあるのではとの議論が以前よりなされてきました。最近、中国の研究グループからこれらに対する一定の回答を示す研究報告がありました(N Engl J Med. 2021 Aug 30)。60~80歳で収縮期血圧140~190mmHgまたは降圧薬服用中の漢民族高血圧患者において、厳格降圧群(収縮期血圧110mmHg以上130mmHg未満を目標とし平均127mmHg)と標準降圧群(収縮期血圧130mmHg以上150mmHg未満を目標とし平均136mmHg)に振り分けると、厳格治療は標準治療と比較して心血管イベントを減少させることが示されました。血圧をより低下させる治療を行っても特に目立ったリスクも観察されず、その有益性が証明されました。さらに、この論文からはより若いときから、またより高い血圧からの治療が有益であることも示唆されています。将来、高血圧の治療目標がより低い血圧を目指す方向性を示すとき、その礎になる研究成果のように思われます。
血圧は健診や医療機関で必ず測定されますが、いまは自宅で測定する血圧を優先して治療の必要性やその成否を判断します。家庭血圧計が広く利用できるようになっていますのでご家庭に準備していただくことをおすすめしています。
(担当:湯浅)
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