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2023/02/15
Acetazolamide in Acute Decompensated Heart Failure with Volume Overload
N Engl J Med 2022; 387: 1185-1195
背景:うっ血を伴う非代償性心不全患者に対して,アセタゾラミドを投与することで,利尿効果が得られることが示唆されている.本研究では,ループ利尿薬にアセタゾラミドを追加することによる,うっ血解除促進の有無を検討した.
方法:ベルギー27施設での二重盲検試験で,うっ血の臨床徴候を認め,NT-pro BNP 1,000 pg/mL以上またはBNP 250 pg/mL以上の患者を,ループ利尿薬の静脈内投与に加え,アセタゾラミド500 mg/dayを静脈内投与する群と,プラセボを投与する群に割り付けた.主要エンドポイントはうっ血解除の成功とし,無作為化後3日以内に体液貯留の徴候が消失し,うっ血解除療法強化の適応がないことと定義した.副次的エンドポイントは,3ヵ月の追跡期間中の全死亡または心不全による再入院の複合とした.
結果:519例が無作為化され,うっ血の解除は,アセタゾラミド群の256例中108例(42.2%)と,プラセボ群の259例中79例(30.5%)で得られた.全死亡または心不全による再入院は,アセタゾラミド群の76例(29.7%)と,プラセボ群の 72例(27.8%)に発生した.腎機能低下,低カリウム血症,低血圧などの有害事象の発現率は2群間で有意差を認めなかった.
結語:非代償性心不全患者に対して,ループ利尿薬に加えてアセタゾラミドを投与することで,有害事象の増加なく,うっ血解除の成功率が上昇した.
担当:JA徳島厚生連阿南医療センター内科/徳島赤十字病院循環器科 鈴木亮
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