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2021/04/26
糖尿病患者さんにとって食事療法の継続は常に困難を伴うものです。食の嗜好は長い時間をかけて形成されてきたものですから、自覚症状に乏しい糖尿病の治療であれこれと制限をかけることは苦行にも近いものがあります。さて、そういった困難さのなかに果物の食べ過ぎもあります。一般に果物は健康によいと信じられていることから好んで食べられる方も多く糖尿病診療の現場ではよく話題になります。栄養指導では1単位(80kcal程度)程度の果物摂取が勧められますが、当地でも実りの秋には自宅の庭になる柿やミカンを頂くなどどうしても過食につながりやすい環境があります。その結果、果物の食べ過ぎで血糖コントロールが悪化することはよく経験することですが、どうしてでしょうか。果物の美味しさの要因は果糖(フルクトース)の甘みですが、果物にはブドウ糖やショ糖もたくさん含まれており血糖値を上昇させます。一方で、果糖は影響ないのでしょうか。果糖は肝臓でエネルギー源として代謝されたりグリコーゲンとして貯蔵されますがブドウ糖にも変換されます。最近では小腸で代謝されてブドウ糖に変換されることが知られるようになりました(Cell Metabolism 27, 351-361, 2018)。さらにこの論文の筆者らは過量の果糖摂取は小腸での代謝の限度を超えて肝臓に達して様々な病気(脂肪肝や2型糖尿病など)に関係しているのではと考えています。とはいえ、果糖そのものの血糖値への悪影響は明確には証明されておらず結局のところ果糖過量摂取によるエネルギー過多が原因なのかもしれません。果物はほどほどにが肝要です。
(担当:湯浅)
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