TOP > 気になるメディカルトピックス・コラム一覧 > 気になるメディカルトピックス・コラム詳細

気になるメディカルトピックス・コラム

2021/02/22

自己心拍再開後の神経学的予後をどう予測するか?

A practical risk score for early prediction of neurological outcome after out-of-hospital cardiac arrest: MIRACLE2

Nilesh Pareek,  Peter Kordis,  Nicholas Beckley-Hoelscher,  Dominic Pimenta, Spela Tadel Kocjancic,  Anja Jazbec,  Joanne Nevett,  Rachael Fothergill,  Sundeep Kalra, Tim Lockie,  Ajay M Shah,  Jonathan Byrne,  Marko Noc,  Philip MacCarthy.  Eur Heart J.  2020 Dec 14;41(47):4508-4517.

【背景・目的】 自己心拍再開(ROSC)後の大多数の患者は低酸素脳症のため不良な転帰をたどる。ROSC後の神経学的予後は72時間たたないと不明であるため、その間に高価で侵襲的な処置が施行され、結果として予後不良の患者にも多くの医療資源が消費されている。心原性が否定できない院外心停止からROSCした患者の神経学的予後を予測するスコアの開発とその検証を目的とした。

 【方法】2012年5月から2017年12月に南ロンドン地域で院外心停止した18歳以上の患者を対象にした後ろ向きコホート研究である。ロンドン大学キングスカレッジに搬送された院外心停止からのROSC患者で、明らかな非心原性心停止、もともと日常生活が自立していない、予後6ヶ月以内が予想される基礎疾患がある、到着時にGCS 15である患者を除外し、373人を解析対象とした。6ヶ月後の神経学的不良(Cerebral Performance Category3-5)を早期に予測するリスクスコアを開発し、リュブリャナ大学(325人)とロイヤルフリー病院(148人)の2つの外部コホートで検証した。

 【結果】神経学的予後良好150人と予後不良223人から神経学的予後不良因子を抽出し多変量解析を用いてMIRACLE2 scoreを開発した。神経学的予後不良であったのはMIRACLE2 score低リスク(0-2点)で5.6%、中リスク(3-4点)で55.4%、高リスク(5-10点)で92.3%であった。検証コホートでは低リスク患者で陰性適中率は81.8%(95% CI:72.2-89.2)と91.5%(95% CI:82.5-96.8)、高リスク患者の陽性適中率は92.8%(95% CI:84.9-97.3)と89.6%(95% CI:77.3-96.5%)であった。他スコアシステム(CAHP score,OHCA score)と比較し同等の結果が得られた。

 【結論】MIRACLE2 scoreは将来の神経学的予後不良を病院到着時点で高精度に予測できる簡便で実用的なスコアリングシステムである。

(担当:堀 太貴)

2021年度のお知らせ

2020年度のお知らせ

2018年度のお知らせ

2017年度のお知らせ

2016年度のお知らせ

2015年度のお知らせ