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気になるメディカルトピックス・コラム

2021/02/15

DKAへの輸液療法は何が最適か?

Clinical Effects of Balanced Crystalloids vs Saline in Adults With Diabetic Ketoacidosis A Subgroup Analysis of Cluster Randomized Clinical Trials

Wesley H. Self, MD, MPH1; Christopher S. Evans, MD, MPH1; Cathy A. Jenkins, MS2; et al

JAMA Netw Open. November 16, 2020

【はじめに】 生理食塩水は、糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)の治療に最も一般的に使用される液体であり、高塩素血症性代謝性アシドーシスを引き起こす可能性がある。晶質液は、アシドーシスを引き起こさないため、生理食塩水よりもDKAの改善が速くなる可能性があるが、結論は出ていない。

【目的】 DKAの急性期治療において、晶質液と生理食塩水の臨床効果と比較する。

【デザイン】 この研究は、以前に報告された2つのコンパニオントライアルにおけるDKAのサブグループ解析である。2016年1月から2017年3月に米国の学術医療センターで実施されたこれらの試験は、救急科(ED)および集中治療室(ICU)の患者を対象に、晶質液と生理食塩水を比較する実用的、マルチクロスオーバー、クラスター、ランダム化臨床試験であった。この研究には、250mg/dLを超える血漿グルコース、18mmol/L以下の血漿重炭酸塩、および10mmol/Lを超えるアニオンギャップでDKAが定義された。データ分析は2020年1月から4月まで実施された。主要評価項目は、米国糖尿病学会の基準で定義されているDKAの改善までの時間とし、副次評価項目は、インスリン持続注入の開始から中止までの時間とした。

【結果】 サブグループ解析に含まれる172人の成人のうち、94人が晶質液に割り当てられ、78人が生理食塩水に割り当てられた。年齢の中央値は29(24-45)歳で、90人(52.3%)は女性であった。EDおよびICUで投与された等張液の中央値は、4478(3000-6372)mLであった。累積発生率分析では、生理食塩水群(中央値:16.9時間、11.9〜34.5時間)よりも、晶質液群(中央値:13.0時間、9.5〜18.8時間)のDKA改善までの時間が短かった。(比率[aHR]=1.68;95%CI、1.18-2.38;P=0.004)。生理食塩水群(中央値:13.4時間、11.0〜17.9時間)よりも晶質液群(中央値:9.8時間、IQR:5.1〜17.0時間)のインスリン注入中止までの時間も短かった。(aHR=1.45;95%CI、1.03-2.03;P=0.03)。

【結論】 2つのRCTのサブグループ解析では、生理食塩水と比較して晶質液による治療はDKAのより迅速な改善をもたらし、DKAの急性期管理には生理食塩水よりも晶質液が好ましい可能性があることを示唆している。

(担当:山上紘規)

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