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2020/12/21
【背景】 COVID-19にて入院した患者の中で、糖尿病と肥満を基礎疾患にもつ者は多く、共に重症化のリスクとして捉えられています。しかしながら、糖尿病や肥満の存在が、COVID-19の入院早期アウトカムに与える影響については不明な点が多いのが実情です。今回、著者らはCOVID-19入院患者の早期アウトカムに肥満補正を行なった上で、糖尿病がリスクとなるか否かを明らかにすることを研究目的として、報告しています( Diabetes Care. 2020 Dec;43(12):2938-2944. )。
【対象と方法】 Massachusetts General Hospital (MGH) COVID-19 Data Registry を用いて、2020年3月11日から4月30日までにCOVID-19で入院した患者を対象とした。プライマリーアウトカムは入院後14日以内のICU入室・人工呼吸器治療・死亡とした。ロジスティック回帰解析にて、患者背景・肥満・併存疾患などで調整した。
【結果】 450人の入院患者の内、178人(39.6%)に糖尿病があり、ほとんどが2型糖尿病であった。糖尿病の有無で比較した場合、ICU入室(42.1% vs 29.8%, p=0.007)・人工呼吸器治療(37.1% vs 23.2%, p=0.001)および死亡(15.9% vs 7.9%, p=0.009)と非糖尿病患者に比較して、糖尿病患者は、高リスクであった。ロジスティック回帰解析では、糖尿病はICU入室 (odds ratio 1.59 [95% CI 1.01-2.52])・人工呼吸器治療(1.97 [1.21-3.20])・死亡(2.02 [1.01-4.03]) において有意なリスク因子であった。一方、肥満は有意にICU 入室(2.16 [1.20-3.88]) と人工呼吸器治療のリスクを高めたが (2.13 [1.14-4.00]) 、死亡には相関しなかった。
【結論】 糖尿病の存在は、COVID-19入院患者における肥満補正後の早期アウトカム悪化因子であった。この結果は、糖尿病を有するCOVID-19患者の治療方針の決定において重要である。
(担当:粟飯原)
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