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気になるメディカルトピックス・コラム

2020/05/18

糖尿病に関わる自己抗体

糖尿病には病因(病気の原因)で分類したいくつかの型があります。日本人の糖尿病患者では、およそ95%が2型糖尿病と診断されます。しかし、2型糖尿病以外にもいくつかの糖尿病の型が存在し、その代表が1型糖尿病です。1型糖尿病は自己免疫が関係する糖尿病であるため、診断には多くの場合に自己抗体の存在を血液検査で確認することになります。ところが、この自己免疫が病因であることを証明する自己抗体の確認が難しい場合があり、糖尿病診療の現場ではしばしば議論になります。

最近、日本人を対象に3種類の自己抗体(GAD抗体、IA-2抗体、ZnT8抗体)がどの程度陽性になるのかを調査した結果が報告されました(J Diabetes Invest 2020; 391: 2607–18)。本論文では、ZnT8(亜鉛トランスポーター8)抗体を中心に結果が示されていますが、1型糖尿病の25%で陽性となることが確認されました。現在、日常診療でより一般的に測定されているGAD抗体やIA-2抗体に追加して測定することによっても、1型糖尿病での自己抗体の陽性率が大幅に高まる結果ではありませんでした。一方で臨床的に2型糖尿病と診断されている場合でも約5%で陽性であり、他の自己抗体よりも高い陽性率を示しました。

ZnT8抗体は2007年に発見された比較的新しい自己抗体です。今後も糖尿病の病因を考える上で重要な新しい知見が蓄積していくものと思われます。

(担当:湯浅)

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