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気になるメディカルトピックス・コラム

2019/02/27

SGLT2阻害薬は抗糖尿病薬を超えていくのか!?

 SGLT2阻害薬が7番目の経口血糖降下薬として日本で発売が開始されたのが2014年ですから5年が経過しようとしています。

 SGLT2阻害薬はあくまでも血糖値を低下させ糖尿病を治療する抗糖尿病薬なのですが、昨年までに動脈硬化性心血管疾患を予防できるのではとの論文が相次いで発表されました。最近、これらの複数の論文をまとめて解析する手法による新たな報告がなされました(Lancet. 2019 Jan 5;393:31-39)。ポイントは動脈硬化性心血管疾患の既往があるグループ(ACD群)と、既往はないものの複数のリスク因子を有するグループ(MRF群)に分けて解析結果が示されているところです。

 主要な有害心血管イベント(心血管死,心筋梗塞および脳卒中)について、ACD群では14%の抑制を認めました。わずか14%とも思われますが、これまで動脈硬化性心血管疾患の既往がある糖尿病患者を対象にして経口血糖降下薬により比較的短期間(2〜4年程度)で心血管イベントを予防できたことはありませんでした。心血管死の多い米国などでは画期的な結果として注目されています。ただ注意点として、心血管イベントに対する予防効果は既往患者を対象とした群に限られており、MRF群を対象とした一次予防効果としては認められませんでした。

 さらに、腎疾患の進展についても驚くべき結果となりました。動脈硬化性心血管疾患の有無にかかわらずおよそ45%の抑制効果を示しました。

 これらの血糖降下作用を超えた臓器保護作用の機序はまだ明らかになっていませんが、血圧や脂質代謝に対する付加的な作用が関係しているのかもしれません。いずれにしても、主な対象患者が欧米人である臨床研究の結果をそのまま日本での糖尿病治療に外挿するのは慎重であるべきところですが、本邦の糖尿病治療ガイドラインに反映されるのかどうかなど今後もSGLT2阻害薬の行方には注目です。(担当:湯浅智之)

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