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気になるメディカルトピックス・コラム

2018/04/30

2型糖尿病の薬物療法をいかに進めるか

米国糖尿病学会は糖尿病に関するステートメント(Standards of Medical Care in Diabetes)を毎年発表しています。2018年度版では、2型糖尿病に関して最近の臨床研究の結果を反映した大幅な改訂がなされています。発表から数ヶ月が経ち少し古い情報となりますがその一部をご紹介します。

 

メトホルミンは内服を避けるべき理由がなければ2型糖尿病患者の第一選択薬です。他の治療薬との併用においても継続されるべき薬物とされており、他の抗糖尿病薬とは一線を画する位置付けです。ただしメトホルミンの内服について、その長期使用がビタミンB12欠乏と関連するかもしれないと注意喚起されています。特に、貧血や末梢神経障害はビタミンB12欠乏との関連が知られており欠乏の有無の定期的な確認が推奨されています。

 

動脈硬化性心血管疾患の既往のある2型糖尿病患者ではSGLT2阻害剤のエンパグリフロジンとカナグリフロジン、またGLP1アナログのリラグルチドの使用が推奨されるようになりました。ただし、その推奨の程度は少し差があります。エンパグリフロジンとリラグルチドは心血管イベント(心血管死,非致死性心筋梗塞,非致死性脳卒中)の減少に有効性が証明されている薬物として位置付けられていますが、カナグリフロジンはこれらを減らすために追加を考慮しても良いものと記述されています。この差は、ここ数年で相次いで発表された大規模臨床試験の結果を反映しているものと思われ、エビデンスに厳格な記述になっています。

 

この他にも各薬剤の明確な評価が記載されており大変興味深いのですが、最終的な薬物療法の選択においては”患者中心アプローチ”が掲げられています。個々の患者の身体的社会的特徴から好みに至るまで様々な患者背景を考慮することが求められています。ガイドラインはともすると画一的な治療の当てはめに陥るリスクを有していますので、医療者側はその真意を汲み取り個々の患者に向きあうことが大切であることは言うまでもないものと思われます。(担当:湯浅)

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