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気になるメディカルトピックス・コラム

2016/12/01

インスリン vs GLP−1受容体作動薬

近年、登場した糖尿病の新しい薬として、GLP-1受容体作動薬というものがあります。

GLP-1とはヒトグルカゴン様ペプチド-1を示し、食事摂取によって分泌されるインクレチンという消化管ホルモンの一種です。血糖依存性のインスリン分泌促進、血糖上昇作用を持つグルカゴンの分泌抑制、食欲抑制、食物の胃からの排出遅延、膵β細胞保護作用などの作用を有しており、糖尿病治療において多面的な効果が期待出来る薬剤です。

現在は注射製剤のみですが、週1回の投与が可能なものも登場しており、選択の幅が広がっています。



GLP-1受容体作動薬の効果を検討した論文として、心血管イベントリスクの高い2型糖尿病患者を対象とし、基礎インスリンとメトホルミンに加えて、超速効型インスリンを追加した群とGLP-1受容体作動薬を追加した群に分けて、血糖変動性を比較した試験があります。HbA1cは両群で全く同程度(HbA1c 7%前後)に管理されていましたが、GLP-1受容体作動薬群では血糖変動が少なくなっており、体重減少や一部の心代謝リスクマーカーの減少といった効果も見られました。



低血糖は不整脈や高齢者の認知機能低下の誘因となると言われていますので、インスリン治療による血糖変動が大きい症例ではGLP-1受容体作動薬への切り替えも一つの手段かもしれません。

一昔前と比べると、糖尿病治療薬の選択肢がとても増えていますので、患者さんと主治医が相談しながらそれぞれに一番合った治療法を選んでいけると良いですね。 (担当:森本佳奈)



出展:Diabetes Care 2016 Jun; 39(6): 973-981.

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