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気になるメディカルトピックス・コラム

2016/07/26

お手を拝借!? “Lending a Hand”

糖尿病治療の診察室では、患者さんと主治医がHbA1cの値に一喜一憂する光景が日常茶飯事です。前回よりこれだけ上がった(悪くなった)下がった(良くなった)と、テストの点数に喜んだり落ち込んだりする学生時代の風景を思い出す方も私だけではないのではと思います。

 ただし、糖尿病患者さんの寿命を考えたときには血糖値よりもっと大事なものがあると言われています。禁煙, 血圧コントロール, 脂質レベルの低下であり、糖尿病薬の一つであるメトホルミンを内服することは血糖値やHbA1cレベルに関係なく死亡率を下げることができると報告されています。その重要性の順番を左手を使って覚える方法をご紹介します(下図参照)。

 

Step1(親指:第1指):禁煙

喫煙は、糖尿病患者のあらゆる異常の中で最も有病率や死亡率を増加させるリスクがあります。ですから禁煙が一番です。

Step2(人差し指:第2指):血圧コントロール

血圧は140/80mmHg以下に低下させるべきであると言われています。

Step3(中指:第3指):メトホルミン治療

メトホルミンは血糖コントロールの程度にかかわらず死亡率を低下させるとことが証明されています。

Step4(薬指:第4指):脂質低下

脂質の低下は2型糖尿病患者の心血管死を減少させます。

Step5(小指:第5指):血糖コントロール

最近の臨床研究の成果によると、血糖コントロールを健常人のレベルまで低下させても、従来治療と比較して死亡率に顕著な影響を与えません。むしろ低血糖が死亡率に与える負の影響が懸念されています。

 

 糖尿病患者さんが血糖値に関心をよせるのは当然必要なことなのですが、血糖値ばかりではなく、寿命にもっと関係するタバコや血圧、脂質にも注意をしていただきたいと思います。血糖コントロールがよくても他のことがおざなりになっている糖尿病患者さんは、”手のひらをうらがえす”必要がありますね。

出典:American Family Physician, Volume 89, Number 4, February 15, 2014

(担当:湯浅)

 

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